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ちしきよく。

雑多系ブログ。みなさんの「何かを知りたい!」という欲を叶えましょう。

ヒトの理解を妨げる因子について塾のひとが考えてみた



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ぜーたです。突然ですが、

無駄話

ってあるじゃないですか。(本当に突然)

 

雑談って意味じゃないですよ。井戸端会議や世間話なら大いにやっていただいて結構なんですが、私が言うのはどっちかというと「雑学」に近い意味の無駄話です。

雑学じゃないんですが、そういう感じの。

 

話は変わりますが、私の経験上では、そういう無駄話をところどころ挟む先生と、全くそういうのをしたがらない先生という2種類の先生がいて、話をしない先生はとことんしない。挟む先生のほうは結構おしゃべり好きで、話しているうちにだんだんと授業から逸れて、そのままチャイムが鳴っちゃったということも。

 

 

どうですか、皆さんの担任の先生はどっちでしたか。

私の場合はだいたい半々でしたね。

しない先生とする先生、結構極端に分かれてましたが、無駄話の有無がその先生じたいの評価を変えるか……というと、そういうわけでもありませんでした。また、しない先生はしない先生で、「まじめに教えているんだなぁ」と好感をもたれ、逆にしすぎる先生は「あの人いっつもチャイム後まで授業してんなぁ」と嫌われていることも、多々ありました。

 

ですが、それでは記事にならないので、今日は「無駄話をしたほうがいい」という立場に立って書いてみます。どうしてこっちの立場かというと、実際に自分が無駄話で救われてきたからです。

 

「教える」から「理解する」までの流れ

私は幸いにして「教えるのが上手」というキャラで学生生活やってきましたし、それを生かして塾の仕事についていますが、そこで実感するのは「いろんな生徒さんがいるんだなぁ」ということ。

あ、文章からそんな風に思えない、なんて突っ込みはナシの方向でお願いしますよ。自分が一番わかっている、つもりです。

 

普通にため口で話しかけてくる生意気中学生(さん)もいれば、部活帰りで疲れて勉強どころではない生徒さんもいますし、逆に勉強に対して燃え盛っている生徒さんも。

あとはー……勉強がわからなくなると拗ねちゃって口利かない生徒さんや、恋に悩む(あまり相談を持ち掛けてくる)生徒さんも。これは関係ないか。

 

生徒さんが変われば教え方も変えなきゃいけない、というのが大変ではありますし、そこが楽しいところでもあります。

ホント、生徒さんの数だけ教え方がある、といっても過言ではないくらいですよ。

まあモノホンのプロじゃないので、あまり大きな口は叩けませんが。

ですが、その根底にある

ヒトがどのように

「教わったものを理解するか」

というプロセスについては、ある程度見えてきています。これは生徒によってほとんど変わりません。言い方悪いですが、いわゆる「凡人」……「普通の人」なら、みんな同じです。もちろん私も同じ。

 

ここに私はある流れを立てました。理解に関する流れです。

こうやって理解のプロセスを言語化しておくことで、教えやすくなります。個人的見解です。

 

 

理数科目の理解パターン

 

抽象的なことを見聞きする

例題にそって解説される

自分で例題を解いてみる

基本・応用に手を伸ばす

 

暗記科目の理解パターン

 

未知の用語を見聞きする

その用語の解説をされる

(用語同士のつながりを知る)

自分で例題を解いてみる

基本・応用に手を伸ばす

 

こうやって2つに分けてみました。数学の例でいけば

「三角関数の話を聞き、→三角関数の使い方を例題にそって解説され、→自分で例題を解いてみて、→基本・応用に進む」

という流れ。これが歴史(世界史)なら

「ギルガメシュ叙事詩という用語を見聞きし、→その言葉の解説をされ、(→ギルガメシュ叙事詩とかかわりのある言葉を知り、)→記憶が定着しているかの例題を解き、→基本・応用に進む」

という流れになります。

 

凡人なら、この流れのどこかをすっとばすことなんてできないんですよ。天才なら話は別です。彼らは頭のネジが何本も抜けているか、または余分な人種なので、凡人が足がかりにしなきゃいけない土台を抜かして理解することができます。

 

例えばね。

「三角関数の話を聞いて、勝手に三角関数の和積公式を出しちゃう」とか。

「一度聴いた言葉は意地でも忘れない」とか。

確かに世の中にそういう人種が存在することは認めます。1日1時間ゲームを欠かさずやりながらT大(日本で一番アタマのいい大学です)に受かった彼とか、自習室で寝てばっかり、勉強もろくにせずW大(有名私立です)の理系学部に入った彼とか。

ですが、そういう人たち以外の……いわば我々のような凡人は、

 

「三角関数の公式を聞いて、その公式を使う例題を与えられ、前で解くのを見て、自分も解いて、ようやく基本問題、応用問題に手をつける」

 

のような、ステップ式の理解しかできないんですよ。バカと公式は使いようなんて言いますが(言わない)、バカはバカだから、公式さえ教えられただけでは使えるようにならないんです。

 

 

さて、では問題です。このステップ式理解の中で、最も凡人がつまずきやすいところはどこでしょうか?言い換えれば、理解の障害になりやすいところはどこか?という問題です。

この問題に答えずして、ヒトにモノを教えるのは早すぎます。

ゆーっくり考えてみてください。

 

その答えはこちら↓

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと考えました?

答えは、「最初のステップ」なんですよ。

意外でしょう?「例題にそって解説される」とか「応用問題」が答えに来るような気がしますが、経験上そっちよりもっと大事なところがあるんです。それが最初のステップ。(もちろん解説だって、教える人の技量に大きく左右されますが……)

 

ここに、理解を妨げるものが存在していて、それをうまく取り除けない人が

「わかりにくい先生」のレッテルを貼られていました。その逆も。

 

理解を妨げる因子

突然ですがここでクエスチョン。

「人間は精神である。しかし、精神とは何であるか。精神とは自己である。
しかし、自己とは何であるか。自己とは、一つの関係、その関係それ自身に関係する関係である。
あるいは、その関係において、その関係がそれ自身に関係するということ、そのことである。
自己とは関係そのものではなくして、関係がそれ自身に関係するということなのである。 」(キルケゴール『死に至る病』)

関係マシンガン定期

 

上の文章、意味がわかりましたか?

 

わかったアナタは賢い。賢すぎます。こんなブログを読んでいる暇があれば、どこぞの研究機関にでも行って、その才能で以って人類の発展に寄与してください。いや、冗談抜きで。

 

答えを語りだすと止まらないし、哲学マン現れそうなのでやめておきます。

 

たぶん我々凡人は、一行目、

『人間とは精神である』

で体が震えたと思います。そこから突然の自問自答が繰り返され、思考しないことに慣れ切ったグデングデンの脳に関係マシンガンがぶち込まれておしまい。

 

 

いわば、理解の大敵とはこのこと。理解を邪魔する因子とは、

 

抽象的な言葉・意味がわからない用語

 

なのです。これを最初に見るのは当然一番最初の段階です。

キルケゴール好きな人もいるかもしれないので、こっちの例もあげとこう。

 

第1不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、ω無矛盾であれば、証明も反証もできない命題が存在する。
第2不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、無矛盾であれば、自身の無矛盾性を証明できない。(ゲーデルの不完全性定理より)

 

これを一目見て意味が分かった方、証明が思いつきそうだな、という方はたぶん凡人にはいらっしゃらないと思います。いたとして、一度やったことがある人……つまりごく一部の変人さんと数学科に限られるわけですが。数学科が変人に包含されるかどうか、はさておき。

 

我々凡人は、自然数論、機能的公理化可能、ω無矛盾、そういう言葉を知らないので、この定理を理解しようとしても無駄です。時間と労力の無駄です。

 

 

これと同じようなことが、『初めて』を聞いた生徒たちのアタマでも起こっている。

そう考えられはしませんか?

 

思い出してみてください。初めて一次関数を習ったときのことを。

は??関数って何だ?なんで一次?なんで式がこの形なの?

初めて方程式を習ったときのことを。

は??方程式って何だ?なんで移項すると符号変わるの?

初めて複素数を習ったときのことを。

は??なんで虚数が突然?てか虚数って何だ?なんで回転するんだ?

初めて以下略

 

成人してから忘れがちですが、こういう『初めて』が誰にでもあったんじゃないでしょうか。理解していくにつれそれらは忘れられていきますから、教える側は

何でコイツはわからないんだ!

となってしまいます(し、現にそれでキレる情けない先生も数多く見てきました)。生徒は生徒で

わからないものはわからないんだよ!

と、黒板に教科書を投げつけて、勉強というものから離れたくなる。

理解の大敵である「抽象的単語・意味不明な用語」が、(一部の無能な)教師と生徒の軋轢をも生み出しているのです。

 

 

これは大変なことだ。

ですから、次回、解決の方法を考えてみましょうか。

なんてとぼけちゃって、もう答えは冒頭に出ちゃってるんですが。

 

www.chishikiyoku.com

書きました!こっちもどうぞ。