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ちしきよく。

雑多系ブログ。みなさんの「何かを知りたい!」という欲を叶えましょう。

酸性とアルカリ性って何だよって話



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現在話題の酸性アルカリ性

今回はシリーズ物。化学・環境分野について話していきます。2回目は酸性雨のはなし。そしてアルカリ性食品のはなし。

しかしその前に、そもそも酸性、アルカリ性って何だよと思ってる人も少なくないでしょうから、今回は先にそっちを説明しておきます。中学高校で理科化学が苦手だった人にもわかるように説明しようと思います。

水素イオン濃度

酸性、アルカリ性は、私たちの生活にとても身近です。しかし、化学というものに全く触れたことがない人にとっては「化学者が使ってる用語」くらいにしか思われないでしょう。

まず、最初に答えを。

 

酸性とかアルカリ性というのは、物質を水に溶かしたときの性質のことです。あまりに単純に一般人向けに言ってしまえば、酸っぱいものは酸性、苦いものはアルカリ性といえるでしょう(酸性かアルカリ性かをはかるためといって、むやみに飲まないようにしましょう)。化学的にいえば、H+(水素イオン)の濃度が酸性かアルカリ性かを決定します。

25℃において水の水素イオン濃度、水酸化イオン濃度が1.0×10^-7mol/L(^は累乗の意味)なので、これを中性とおき、

それより濃度が濃かったら酸性、薄かったらアルカリ性

と見ます。

難しい話がいやだという人はこう考えてください。

あるイオンが一定以上含まれていたら酸性、それより少なかったらアルカリ性、と。

で、ぜーったいに一人以上いるのがこういう人ね。

「イオン!!!??イオンってあの、体にいい!!!???」

体にいいかどうかは置いとくとして、酸性アルカリ性に含まれる水素イオンが直接体にいいこと(わるいこと)は絶対にありませんので、どうぞご安心ください。

身近な酸性・アルカリ性

ですからお酢は当然酸性、オレンジジュースも酸性、意外なところではサイダーも弱酸性(二酸化炭素が溶けているから)です。胃液も塩酸でできているので酸性ですね。どう、身近でしょう?

ちなみに水素イオンが体にいいという論を採用すると、とにかく酸の強いものが体にいいということになります。「イオン論者は胃酸飲んでろ」って話になっちゃいますよね。皆さんはそういう怪しいものにひっかからないようにしましょう。

逆に、木を燃やした後に出る灰、アンモニア(男の靴下や脇から発せられるすっごい匂いの元です)、それからピーマンなどはアルカリ性です。ピーマン苦いしやっぱりアルカリ性か。

いわば、酸っぱいもの苦いものを化学的に見て、ちゃんと客観化できるように

水素イオン濃度の大小としているだけにすぎないと思えばいいわけです。

(思うのは個人の勝手ですが、本来は順序が逆ですね。水素イオン濃度の大きいものを酸性小さいものをアルカリ性と決め、その味を調べたら酸っぱいとか苦い、と。

しかし、一般人の認識では酸っぱい=酸性、苦い=アルカリ性 でよさそうです。一般人が水素イオン濃度なんて測ることはないだろうし、まあ知っておいて損はないぐらいですね)

酸性のイメージは、アルカリ性のイメージは……リトマス紙のせい?

「酸性」と「アルカリ性」を色分けし、酸性を赤、アルカリ性を青で塗ってみました。

これは私のイメージ色ですが、みなさんもたぶん同じだと思います。逆って人はあまりいないと思います。

その理由は簡単、「リトマス紙」によって酸性やアルカリ性を測ったとき、酸性だと、アルカリ性だとが出るからですね。

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リトマス紙のつかいかた

まず、両方に液体をたらします。

  • 赤いリトマス紙が青くなったらその液体はアルカリ性
  • 青いリトマス紙が赤くなったらその液体は酸性
  • 両方とも色が変わらなかったらどっちでもない(中性)

リトマス紙という響きがあまりに懐かしい方もいらっしゃるでしょう。小学校で使いませんでしたか?リトマスゴケという地中海原産のコケから取られるのが「リトマス」という色素。

それを紙に塗布したのがリトマス試験紙です。これによって酸性かアルカリ性かを判定することができます。私もいろんなところにリトマス紙を付けて測ってました……。

ただし、リトマス試験紙はあくまで定性試験であり、定量試験でないことに注意すべきです。言い換えると、「酸性かアルカリ性かは測れるが、強さまでは測れない」のです。

酸性アルカリ性の強さ

酸性、アルカリ性には強さがあります。なぜなら、

酸性かアルカリ性か

それがどのくらい強いのか

というのは、水素イオン濃度によって決まるから。濃度には濃さ薄さがありますので、

濃いほうがより強い酸性になり、薄いほうがより強いアルカリ性になるのです。

例えばオレンジジュースより胃酸のほうが強いです。同じくピーマンよりも石鹸水の方が強いです。この強さは、のちに説明する「中和」という現象を説明する時に登場します。

pH(ペーハー、ピーエイチ)

強さの単位にはpH(ペーハー、ピーエイチ)を用います。酸性が7より小さく、アルカリ性が7より大きいとしています。

ここからわかる人だけ

ちなみにこの7というのは、さっき出した水素イオン濃度に関連しています。7を基準にしたのは、純水の水素イオン濃度が1.0×10^-7だったからであり、pHと水素イオン濃度の間には以下の関係が成り立ちます。pHをX、水素イオン濃度をCとすると、

X=-log(10)C

ここまでわかる人だけ

 えーと、上に書いたことをもうちょいわかりやすく言うなら、

水素イオン濃度が2倍になったからといって、pHが2分の1になるわけではない!ということ。残念ながら。

どう計算するか?というと、水素イオン濃度が10倍になると、pHは1下がります。

逆に水素イオン濃度が10分の1になると、pHは1上がります。

胃酸のpHは1、レモンがだいたいpH2~3(今回は2とします)なので、胃酸はレモンに比べ10倍(水素イオン濃度が)濃いわけですね。逆に、

涙はpH8、石鹸水はpH10前後であり、pHは2違うわけですから、水素イオン濃度は100分の1になります。結構違うでしょ?

定量実験として有名なのは中和滴定です。これで酸性アルカリ性の強さがわかるのですが、それを説明しだすと化学式を使わなければならないので今回は省略します。また後日説明します。とりあえず今回は、酸性、アルカリ性には強さがあるということを押さえておいてください。

中和

中和という現象について説明しましょう。

突然ですが、酸性とアルカリ性は、混ざると打ち消し合うのです!!

ここまでの話を聞いたほとんどの方はきっとこう考えます。

「すっぱいと苦い混ぜて打ち消し合うの……?」

と。打ち消し合うってどういうこと?と思うかもしれませんね。

濃い食塩水と薄い食塩水を混ぜるとどうなりますか?互いに混ざり合い中間くらいの濃度になりますよね。それと同じようなものです。二つだけ違うのは、反応後には全く異なる科学物質ができるということ。そして、それをいくら放っておいても、元の酸性とアルカリ性の二つの物質には戻らないということ、それだけです。

例えば、胃酸として知られる塩酸と、水酸化ナトリウム(アルカリ性)の水溶液を、同じ濃度で同じ量混ぜたとします。すると、なんと二つは中和して、食塩水になるのです!

すっぱいとにがいからしょっぱい

になりました。もう訳わかりません。ですが中和についての詳しい話は高校化学の知識が必要なので、これも今はすっとばします。また後日。

さて、これらの事柄だけで次回の「酸性雨」「アルカリ性食品」の話をできるのでしょうか。お楽しみに!