ちしきよく。

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西夏文字や文字化けが気持ち悪い・怖い理由を考察してみる



あとで読む

文字化け。怖くないですか?

 

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こういうアレですね。

こういうのを見るとなんかぞわっとするのは私だけでしょうか、いいえ、ケフィアです。さいきん、文字を見て「気持ち悪っ!!」と思う機会が個人的にありましたので、まとめて考察してみましょうか。

 

見慣れた文字、見慣れない文字

まず、以下の文章……というかノイジーでナンセンスなセンテンスを読んでもらいます。

 

毎日暮電話不可欠

 

たぶん読めたんじゃないでしょうか。意味も含めて捉えることができたでしょう。

 

毎日の暮らしに電話は不可欠です

 

が元々の文章。漢字だけなのに何となく意味がわかるのは、我々がこれらの漢字を、これらの順番で見ることに慣れているから。

 

それではちょっと順番を入れ替えたものを作ってみます。

 

大位最常大数単識的無中量

 

まあ……まあうん。分からんでもないという感じか。単位とか数の話をしてるんだな、ってことがわかれば、「無量大数」というのが中に入っているのもわかるでしょう。

 

無量大数という単位は、常識的なものの中で最も大きい

 

が元々。さっきのと比べれば、若干馴染みはない。

 

それでは、全く知らない漢字であればどうなのか。

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Wikipedia"中国語"に関する記事の中国語版から拾ってきました。

たぶんこれを正確に翻訳できるレベルだったら、中国語も同じように馴染みがあるでしょう。そういう人にとっては言えないことがらなのですが、日本人から見るとちょっと「ん?」というような漢字が、いっぱい出てくる。

それでも「諸侯」とか「八百」とか「西方的」みたいな、ところどころ分かる漢字たちが、なんとか秩序を保っている。

 

 

お気づきでしょうが「見慣れている文字と、見慣れていない文字」について、今しがた論じているところなのであります。

 

それでは繁体字であればどうなのか。さっきのは簡体字といって、中国本土で主に用いられる漢字だち。台湾では繁体字といって、日本の旧字体みたいなのがいっぱい残ってます。

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おぉ……絶妙に……ナオキです(訳:意味不明)

「会議」とかが旧字体の「會」になっているのがおわかりかと。

 

どちらが見覚えがないかはそれぞれかと思いますが、まあ何となく「なじまない」ような印象をうけます。*1

 

 

次は全く別の、見たこともないような言語を見ていきましょう。

 

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これ、タイ語です。全く読めない。

タイといえばタイに住んでた友人がいたっけな。けっこう習得が難しいと聞いたことがあります。一人称が多彩にある、面白い言語です。

 

 

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こっちはロシア語。キリル文字といいます。

Pとかyとかkみたいな、なんとなく見覚えのある形のものもあるけど、エヌを逆さにしたような奴とか、blみたいな奴とか、顔文字( ゚Д゚)のアレとか、見慣れないものも混じってますね。

 

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まずもって向きが違う。

これはヘブライ語。右手にカナヅチ、左手にノミを持って石板に彫っていたからこんな風に逆になったようです。文法にかなり古い特徴を残しているのは、いろいろと複雑な歴史的背景があるため。その話もおいおいやっていきます。

ユダヤ教の聖書がこれで書かれており、今はイスラエルの日常語にもなっています。

 

 

以上、タイ語、ロシア語、ヘブライ語の順で見ていきました。どうですか。

確かに変な感じはしたけど、おそらくそれは「中国語に対するソレ」とは違っていたと思います。そもそもこれらの言語は普通に生きていれば絶対に接しないような、特別な文字を使ってますから、中国語のように「中途半端に見知っているもの」とはわけが違う。

 

最初から脳が受け付けない状態なので、読む気にもならないというわけです。

ここまでが前提です。

 

トップクラスの気持ち悪さ「西夏文字」

西夏文字というのは中国西南部あたりにあったらしい西夏王朝、その初代皇帝であるリゲンコウさんが定めた文字。

ひっじょーに、気持ち悪いのですが、これは恐らく私だけではないはず。

百聞は一見に如かず。

いいですか、ちょっとしたグロテスク画像になってますよ。

 

 

 

 

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非常に失礼なんですが(学術的にはとてもおもしろいんだけど)、何だろう、……クモとかムカデを見たときのような気持ち悪さがある。不安になる。

この「漢字っぽいのに漢字っぽくない」という印象がそうさせているのかもしれません。これは考察の上で、大きなヒントになるはず。

 

ちなみに同じことを考える人は私だけではないようで「西夏文字 気持ち悪い」「西夏文字 怖い」での検索が、数多くされているようです。(「西夏文字 かっこいい」もありましたが)

 

ひらがななのにひらがなじゃない……

以前こんな画像が友達のラインから送られてきまして。

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(画像検索してもヒットしない……)

何となく村上龍の「五分後の世界」っぽいな?と感じました。あの世界でひらがなが使われているとすれば、恐らくこんな形になりそうな。

よく2ちゃんで「異世界に行ったら文字化けしてた」なんて話を耳にしますが、それだと思います。だからここは仮称として「異世界ひらがな」とします。

 

こう、じっと見ていると、徐々に吐き気を催してくるような気持ち悪さ、ありません?なんか。

 

不安になってくる。

今まで自分が見てきた文字と微妙に違っているというのは、それだけで絶大な不安を、我々に催させるものです。

 

 

以上の話をまとめにかかります。

 

中途半端さこそ最大の要因なのでは

我々が見ている日本語を「一番親しみやすいもの」とすると、タイ語やヘブライ語は「全く知らないもの」になる。

それでは、西夏文字や異世界ひらがなはどこかといえば、真ん中らへん。

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中国語はもしかすると左の壁の中にいるかもしれません。

 

曖昧ですが、とりあえず上みたいに2つ壁があって。

一つ目が「慣れているの壁」。

二つ目が「知っているの壁」。

 

一つ目の壁は「まあなじまないけど、見たことはあるぞ」という印象を受ける言語の限界で、せいぜい中国語まででしょうか。ドイツ語とかフランス語もラテン文字を使ってるから壁の内側にはいます。

 

そして二つ目の壁は「全然知らんぞ……」という言語の壁。これを過ぎてしまうと、もはや文字なのかわからない、あるいは、文字だとわかっているのに、読む気にもならない。

どこかの星の宇宙人が使っているというような印象を受けるわけです。

 

そしてその間に位置するのが「異世界ひらがな」「西夏文字」。

慣れていないけど知らないわけでもない、という中途半端さは、我々に多大な不安感・恐怖を及ぼします。それはまるで、よく知らない味方が寝返って、寝首を掻きにきた、というような、唐突なもの。このような文字を見た後では、もはや普通の文字を見ても、何となく違うような印象を受けかねません。

 

文字化けはどこに入るか

そして、私が文字化けに抱く印象は、西夏文字や異世界ひらがなと同じ。

「知ってはいるけど、全く慣れることがない」というものです。

であるから、図でいう「真ん中」に入れるのが適切であろうと思います。

 

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気持ち悪さマックスのところにいるのが、西夏文字、異世界ひらがな、そして文字化け。

 

思い返せば確かに、文字化けって全く知らない文字だらけでもない。

知っている半角カタカナと複雑な漢字、そして多少の易しい漢字が、意味を持たないままただ、雑多としてそこに転がっている。使い捨てられた古代兵器のように、素知らぬ顔をして横たわっているわけです。

 

つまり、文字化けが怖い理由を答えるなら、それは

「我々が中途半端に知っている文字だから」ということになります。

 

 

 

ここから先は余談です。読まなくても大丈夫。

 

なぜ中途半端だと怖いのか?

ぶっちゃけ当てつけでいくらでも説明できそうなんですが、一応考えられるのは「全く知らない文化の人とのあつれきよりも、見知った人とのギクシャクのほうが怖い」というような。

「いつも怒っている人より、めったに怒らない人の怒りのほうが怖い」というような、コミュニケーション的な何かだと思うんです。

 

そもそもコミュニケーションが成り立たない!とわかっている人に、ハナから話しかけに行こうとは思わないじゃないですか。

でも、中途半端に見知った文字を使う人なら、何となく話が通じそうだ。いやそれでもこの中途半端さは、やはり通じないかもしれない……!

 

つまり、最初からあきらめがつくかどうか、ってことだと思うんですよ。意味を解読しようとすることのあきらめ。

 

こういう、文字がヒトに与える印象を研究する学問、ないんですかね?

賢者のみなさん、答え、お待ちしております。

*1:逆に中国人も、日本の漢字を見て「足りねえな」「複雑だ」と思うことがあるようで